【白ブドウ品種リースリングを識る】

「リースリング」と聞いて、

ミネラル、ペトロール、ドイツ、甘口、細長いボトル、貴腐ワイン、アルザス、酸…

あなたはどんな言葉が思い浮かびましたか?

ドイツ原産と言われる白ブドウ品所。甘口にも辛口にもなれる万能なブドウです。


まだ少し寒い日が続いていますが、春はもうすぐソコ。

ワインを持っておでかけも、楽しくなる!

「春にはリースリングが美味しい」と断言する筆者の目線から、

今回はリースリング品種の特徴や味わいから始まり、奥深い魅力に迫ってみようと思います。

リースリングの特徴

冒頭にも書いたとおり、リースリングはドイツが原産の白ぶどう品種

小ぶりで明るい黄緑色。

リースリングの房は他の白ブドウに比べると小さめなのが特徴で、実自体も小ぶりです。色は明るい黄色〜黄緑色。熟れると赤茶色へ変化。果皮が薄く、透けるような透明感があります。

葉の大きさは中程度、葉身は円形。

葉身(葉の平面状の部分)が丸く、切れ込みも中程度なのが特徴。

<引用元:https://www.vinsalsace.com/fr/gouts-et-couleurs/cepages/frais-et-secs/riesling-dalsace/

栽培地、外観・香り・味わいの特徴

【主な栽培地】

ドイツ、フランス(アルザス)、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリア、カナダ、アメリカ、ルクセンブルグ

【外観】

縁(ふち)はやや緑味がかった明るい黄色。黄緑色を感じる、キラキラと反射するような輝く水面が特徴。

【香りの代表的なキャラクター】

ブドウの熟成具合により、香りの強弱がストレートに出やすい品種です。

レモン、シトロネル、グレープフルーツ、白桃、洋梨など、フレッシュな柑橘類・淡色系フルーツが主。白い小花、菩提樹、イラクサなどの花々のニュアンスが感じられます。

収穫ブドウの熟成具合・醸造により、また、グラン・クリュ(特級畑)クラスのリースリングワインにはしばしば、

柑橘類・淡色系フルーツのコンポートやジャムのニュアンスが加わります。

【味わいの特徴】

辛口に仕上げたリースリングは「まっすぐ」や「ピュア」などと表現されることが多い品種です。

活き活きとした酸と、土壌由来のミネラル感がストレートに表現されることが多く、丸みのある繊細な果実味が特徴です。言い換えるならば、(少し言い方は悪いですが、)「複雑ではない」ワインが多いといえます。

こちらも、香り同様、グラン・クリュ(特級畑)クラスのワインや熟成期間の長さによって、味わいの複雑味や奥深さが増す傾向にあります

素直な品種だからこそ、グラン・クリュ(特級畑)の格の違いがストレートに表現されるんだ!

【シノニム】Synonymes

産地による別名 = シノニム(Synonyme) 

  • バイスナー・リースリング(Weisser Riesling)
  • ライン・リースリング(Rhine Riesling)

【名前に「riesling」と付くものの、リースリングとは別品種なブドウ】

イタリアなどで造られるWelschriesling(Riesling italien,Olasz riesling などと呼ばれることもある)、Schwarzriesling(=ピノ・ムニエのシノニム)、Gray riesling など。

よく聞くけど、結局「ミネラル感」って何?

リースリング品種を識るうえで、避けて通れない言葉「ミネラル感」。

冷涼な産地から造られるワインや、

シャブリのキンメリジャン土壌や、白い石が表土に見られる石灰質土壌の畑などで育つブドウから造られるワインにもよく使われる言葉です。だいたい「土壌由来の」という飾り言葉が付いたりしています。

なんとなくそれっぽいけど、よくわからない言葉「ミネラル」。

ワインのミネラル感ってなんなんだ?土壌由来、ってつまりどうゆうこと???

「ミネラル感」とは、何を指すのか

私たちがワインに使う「ミネラル感」とは主に下記を感じたときに表現されることが多い言葉です。

  • 火打ち石のような特有の香り
  • 石や鉱石を連想させる硬いニュアンス
  • 塩のようなニュアンスを感じる酸味
  • わずかな苦味

この3つのうちどれかを感じる、または同時に感じたとき、私たちは

「あ、このワイン、ミネラル感あるわ」と感じ、表現しているのです。

ミネラル感=「土壌」の味ではない

ブドウは当たり前ですが、果実です。

私たちは土壌の栄養素を吸って育ったブドウを食べても「ミネラル感」は感じないですよね。「あ、めっちゃミネラリティーなブドウ」と思うブドウ果実って、あまりないですよね。

そう、「ミネラル感」はワインになって初めて表現されるのです!

もちろんブドウやワインにも鉄やマグネシウム等のミネラル成分は含まれていますが、味わいや香りに顕著に現れるほどの量ではありません

そして、ワイン造りに良いとされる「石灰質土壌」をそのまま食べてみても、土ですので当然ですが、「ミネラル感」は感じられない。そしてなんと、実は、ワインの中のミネラル感は、土壌内のミネラル物質とは関係がないといわれているのです。

(そもそも、土を食べる必要はなかったのです!)

では、

「ミネラル感」ってどこから来るの?

答えは、

とってもシンプルに言うと、

醸造中に生じる酸を「ミネラル感」って感じてる、です。

酢酸や酒石酸、リンゴ酸、乳酸…ワインは醸造中にも多くの酸を分解し形成しますが、その中でも、酵母が生じる苦味を感じるコハク酸や、硫黄の匂いに似たアミノ酸が合わさり、酸味やタンニンが重なり合うと、

「あ、このワイン。ミネラリティー。」となるという流れです。

詳しく成分などを化学式も含め見てみるとより詳しい解説もできて面白いんですが、少しややこしくとっても長くなるので、それは別に記事にまとめたいと思います。(研究したのが5年以上前で復習が必要なこともありです、すみません!)

土壌のミネラルがそのままワインに、というわけではなく、ミネラルを多く含む土壌で働く微生物の影響を受け育つワイン中で生成される成分のニュアンスが「ミネラル感」をもたらす、という感じでしょうか。

limestone (石灰)

実は定義などなく、感じる個人差が出やすいなんとも曖昧な表現だった「ミネラル感」、というお話でした。

春にはリースリングが美味しいと思う。

日差しに暖かさが溢れ、外出の機会も増える春。

寒い冬にはなかなか手が伸びなかった白ワインにもだんたんと光が当たり始めます。(寒いのにキンキンに冷えたワインはちょっとねー。)

リースリングは先述の通り、とても繊細なワインが多くキンキンに冷えている状態では特徴をとらえにくい分、すっきりとした喉越しを愉しむことができます

さらに春は、

外気温や日差しがほどよく暖かく、ゆっくりとワインの温度が上昇するため、リースリングの温度変化による味わい・香りの広がりをじっくりと愉しむことができるのです。

優しい暖かな日に飲む、穏やかなリースリングワインの美味しいこと!!

外で飲むワインはまた格別に美味しいですよね。

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